安中散の効果・効能とは?処方箋の必要がない市販薬まで紹介
安中散(アンチュウサン)は、胃痛などに効果がある市販でも購入することができる漢方薬です。
今回はこの、安中散(アンチュウサン)の効果・効能と副作用について詳しく紹介していきます。
安中散の効果・効能とは?
安中散は、胃腸症(機能性ディスペプシア)に用いられることの多い漢方薬のひとつです。
検査をして異常がなくても胃痛や胃もたれなどのを引き起こすことを「胃腸症」といいます。
胃酸の分泌が多い人の胃の痛みなどにもよく使われますが、処方箋なしで買える市販の漢方胃腸薬のほとんどが「安中散」をベースとして作られています。
安中散の配合生薬(成分)
桂皮(ケイヒ)、延胡索(エンゴサク)、牡蛎(ボレイ)、茴香(ウイキョウ)、甘草(カンゾウ)、縮砂(シュクシャ)、良姜(リョウキョウ)
これら7種類の生薬が配合されています。
安中散が効果を発揮する症状とは?
こんな方におすすめです!
胃痛・胃もたれ
暴飲暴食などで消化不良となり、胃痛や胃もたれを起こすことがあります。
また、ストレスが要因となり胃の痛みや不快感をもたらす「神経性胃炎」などもあります。
このような胃痛や胃もたれが起こる症状に対して安中散は効果的です。
胸やけ・吐き気
胃のムカつき、何かが込み上げてくるような吐き気などの胃酸が関係した症状や慢性的に胃を炎症させてしまっている「慢性胃炎」などにも効果的です。
胃周辺の不快感
胃の筋肉が緩んでしまい、胃の働きが鈍くなりることがあります。
これを「胃アトニー(胃無力症)」といい、胃もたれ、腹部膨満感、胃痛、ゲップ、食欲不振などさまざまな症状が現れます。
このような症状にも安中散は効果的です。
安中散に副作用はあるの?
- 発疹
- 発赤
- かゆみ
などの皮膚症状や下痢・便秘などの症状が起こる場合があります。
また、「偽アルドステロン症」と呼ばれる、尿量が減少、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、といった症状。「ミオパチー」と呼ばれる、体がだるくて手足に力が入らない、手足がひきつる、手足がしびれる、などと言った症状がまれに起こると報告されています。
このような症状が現れたら、自己判断せずに、病院の医師や薬剤師に相談するようにして下さい。
安中散を服用してはいけない人
安中散も西洋医学の薬と同様で飲んではダメな場合があります。
- 薬を使用し、アレルギー症状を起こしたことがある方
- 妊娠・授乳中の方
- ほかの薬を飲んでいる方
これらに該当する人は、必ず担当の医師や薬剤師に確認するようにしましょう。
また、薬の併用や飲み合わせは医師や薬剤師に相談するようにして下さい。
安中散の飲み方
安中散は、成人の方で1日2回~3回食前もしくは食間に、水またはぬるま湯で飲むようにします。
漢方薬は、飲む方の症状や年齢、体力、体重、体質などにより適宜増減されることがあるので、医師や薬剤師から説明があった場合は、必ず指示された服用方法で飲むようにして下さい。
また、飲み忘れたからといって、1度に2回分を飲んだりすることは生薬の過剰摂取(摂り過ぎ)となることがあるのでやめましょう。
飲み忘れた時は、気が付いたときに飲むようにし、次に飲む場合は2時間以上時間をあけて飲むようにして下さい。食前もしくは食間が好ましいですが、食後でも問題はありません。
安中散の市販薬
安中散は、ツムラ安中散エキス顆粒(医療用)などの医薬品以外でも、処方箋なしで買うことができる第2類医薬品の市販薬があります。
代表的なもので、以下のものがあります。
- 松浦漢方…安中散科エキス細粒
- 一元製薬…一元 安中散
- ツムラ…ツムラ漢方 安中散料
- クラシエ薬品…クラシエ 安中散料エキス顆粒
- クラシエ薬品…クラシエ 漢方安中散加茯苓エキス錠
- 武田薬品工業…ストレージ タイプI(6包/12包)
錠剤、包装タイプといろいろとありますが、基本的にどの商品も、やせ型(虚弱体質)で腹部の筋肉に力がなく、胃痛、腹痛があり、胸やけ、げっぷ、食欲不振等を伴う神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニーなどの症状に用いられますが、配合されている生薬の分量が異なったりします。
購入する際は、薬剤師の方に症状を伝え、自分に合うものを買うようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、安中散(アンチュウサン)の効果・効能と副作用について紹介してきました。
安中散は、胃痛や胃の不快感など胃に関したさまざまな症状に作用し効果的に改善することができる漢方薬です。
処方箋の必要がない市販薬もあり、生薬を使った天然の成分で各症状を緩和させたいという方におすすめできる胃のための漢方薬です。