八味地黄丸(ハチミジオウガン)の効果・効能と副作用までご紹介
八味地黄丸(ハチミジオウガン)という漢方薬はご存知でしょうか?
八味丸、腎気丸、八味腎気丸などと呼ぶこともあります。
8種類の生薬を組成し作られた下半身の疲労回復などの効果・効能がある漢方薬です。
今回はこの、八味地黄丸の詳細な効果・効能と副作用について紹介していきます。
八味地黄丸の効果・効能とは?
この八味地黄丸の効能・効果は、
“疲労、倦怠感、尿利減少または頻数、口渇、手足に交互的に冷感と熱感のあるもの次の諸症
腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧“
このような症状に効果的な漢方薬です。
また、下肢痛、腰痛、しびれ、老人のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみなどにも作用するので治療として用いられることがあります。
このほかの症状では、腰部脊柱管狭窄症においても効果が得られ、医師により処方されることもあります。
八味地黄丸の配合成分(生薬)
地黄(ジオウ)、山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子末(ブシ末)
これら8種類の生薬が配合されています。
地黄(ジオウ)
ゴマノハグサ科ジオウ属植物の根茎。
血中の熱を除去、血を補う作用がある。
山茱萸(サンシュユ)
ミズキ科サンシュユの種子を除いた果実を乾燥したもの。
強壮及び滋養作用、補血作用などがある。
山薬(サンヤク)
ヤマノイモ科ヤマノイモの皮を薄く剥いて乾燥したもの。
強壮や滋養作用と緊張を緩和させる作用がある。
沢瀉(タクシャ)
オモダカ科サジオモダカの根茎を乾燥したもの。
水分代謝を調整し不要な水分を排泄する作用がある。
茯苓(ブクリョウ)
サルノコシカケ科のマツホド菌の菌核を乾燥し外皮を除いたもの。
体力増強作用をもち、薬の巡りを良くする。
尿細管の再吸収を抑制するため利尿作用が高い。
牡丹皮(ボタンピ)
ボタン科ボタンの根の皮を乾燥したもの。
血中の熱をさまして活かす作用がある。
附子末(ブシ末)
キンポウゲ科シナトリカブトの子根を乾燥したもの。
体を温め、新陳代謝の機能を高める作用がある。
八味地黄丸はこんな方におすすめ
疲れやすい
疲れは、放置するとどんどん蓄積され慢性化してしまいます。
慢性化すると取り除くのに時間がかかります。
冷え性
成人女性の半数以上は冷え性で悩まされていると言われています。
冷え性の多くは、手足の先など心臓から離れた部位がなりやすく、食生活や月経などによる貧血気味の時、女性ホルモンの乱れによる自律神経のバランスを崩してしまった時などに引き起こしやすいと言われています。
尿トラブル
人間の膀胱は300~500mLの水分を蓄えることができると言われています。
通常の成人の方であれば、膀胱に尿がたまっても、尿道を筋肉が締めているので、漏れてしまうようなことはありません。
しかし、加齢や出産、薬などの影響で、この筋肉がゆるんでしまうと尿もれすることがあります。
八味地黄丸の副作用とは?
副作用は、以下のとおりです。
- 過敏症…発疹、発赤、そう痒 など
- 肝臓…肝機能異常 など
- 消化器…食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘 など
- その他…心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ など
このような副作用が確認されています。
八味地黄丸を服用し、このような症状が現れた場合は、使用を中止し、病院の医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
八味地黄丸を飲むのに注意が必要な人
こんな方は、専門家に相談しましょう。
妊婦(妊娠中)・授乳中の方
八味地黄丸に含まれる生薬の牡丹皮(ボタンピ)は、流早産の危険性があるとされているため、投与しない方が望ましいとされています。
服用する場合は、必ず飲む前に、医師や薬剤師に確認するようにしましょう。
附子末(ブシ末)には、軽度ではありますが、場合によっては現れる副作用が確認されているので小児へ飲ませるような場合も必ず医師の判断に従うようにして下さい。
八味地黄丸の正しい飲み方と、まとめ
八味地黄丸は、通常、成人1日2回~3回に分割して、食前又は食間に経口投与します。
漢方薬は、年齢、体質、体重、症状により適宜増減します。
医師の説明をしっかりと聞き、用法・用量を守って服用して下さい。
いかがでしたか?
今回は、八味地黄丸(はちみじおうがん)の効果・効能と副作用について紹介しました。
八味地黄丸は、疲れやすい方や冷え性の方、下半身の疲労回復などさまざまな効果が期待できる漢方薬です。
気にある症状がある場合は、植物からきている漢方で改善してみてはいかがでしょうか。