葛根湯(カッコントウ)効果と副作用とは?正しい飲み方で諸症状改善
葛根湯は有名な漢方薬なので、みなさん一度は飲まれたことがあるのではないでしょうか。
風邪(かぜ)の時に病院で処方されたり、薬局やドラッグストアに市販薬があったりと、馴染みの深い漢方薬のひとつでですよね。
今回は、葛根湯(カッコントウ)の効果・効能、副作用まで詳しく紹介していきます。
葛根湯(カッコントウ)とは?葛根湯の効果・効能
葛根湯は、主に“かぜのひき初めに用いられる”漢方薬です。風邪発症後1日2日目の服用が効果的と言われています。
「実証(じっしょう)」という、体力がある人に向いていて発汗を促すことで熱を下げ、風邪の諸症状を治そうとします。
葛根湯は、風邪の初期症状にたいする効果だけが有名ですが、他の症状にも効果を発揮します。
具体的には、
- 頭痛
- 鼻炎・鼻かぜ
- 寒気・発熱
- 肩こり
- 筋肉痛
- 蕁麻疹(かゆみ、腫れ)
このように幅広い症状や疾患に効果が期待できます。
また、発熱がなくても、筋肉の緊張によって起こるといわれている「緊張型頭痛」にも効果があり処方されることがあります。
漢方薬は、個々の年齢や体型、体力の有無や体質、現在の状況などにより判断され、その人に合う漢方薬が処方されます。
そのため、上記症状がみられても人によっては別の漢方薬が処方される場合があります。
成分(生薬)で見る葛根湯の作用
葛根湯に配合されている生薬は、全部で7種類あります。
- 葛根 (カッコン)
- 麻黄 (マオウ)
- 桂皮 (ケイヒ)
- 芍薬 (シャクヤク)
- 甘草 (カンゾウ)
- 大棗(タイソウ)
- 生姜(ショウキョウ)
ぞれぞれの生薬(成分)の特徴を詳しく見ていきましょう。
葛根 (カッコン)
葛根(カッコン)は、マメ科のクズの肥大根を乾燥させたものです。
この生薬には、解肌、透疹、潤筋、止渇、止瀉などの効能があります。
主に、頭痛や肩こりなどの風邪症状、筋肉の緊張、口の渇き、下痢などに用いられます。
麻黄 (マオウ)
麻黄 (マオウ)は、マオウ科のマオウの地上茎を乾燥させたものです。
この生薬には、発汗、鎮咳、利水の効能があります。
主に、発熱、頭痛、せき、喘息などに用いられます。
麻黄には、エフェドリンというドーピング検査の規制物質に指定されている成分が含まれているので、スポーツの大会前などの服用には注意が必要です。
桂皮 (ケイヒ)
桂皮 (ケイヒ)は、クスノキ科トンキンニッケイやその他同属植物の樹皮を乾燥させたものです。
この生薬には、芳香性健胃、発汗、解熱、鎮痛、整腸、駆風(くふう)、収斂(しゅうれん)などに効果があります。
主に、手足の冷え、腹痛、下痢、のぼせなどに用いられます。
芍薬 (シャクヤク)
芍薬 (シャクヤク)は、ボタン科シャクヤクの根を乾燥させたものです。
この生薬には、鎮痛・鎮痙(ちんつう・ちんけい)、収斂(しゅうれん)、緩和作用などの効能があります。
主に、血が不足した状態(血虚)、腹痛、筋肉痛、痙攣痛などに用いられます。
芍薬は、根の部分が重要なので、薬用で用いる際は、花が咲かないようにする工夫するそうです。
甘草 (カンゾウ)
甘草 (カンゾウ)は、マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したものです。
この生薬には、健胃、鎮痛、鎮痙、去痰などの効能があります。
主に、腹痛、下痢、動悸、腫れ物などに用いられます。
甘草には、他の薬物の効能を高めたり、毒性を緩和する効果があったりと、とても使われやすい生薬で多くの漢方薬に使われます。
大棗(タイソウ)
大棗(タイソウ)は、クロウメモドキ科ナツメの果実を乾燥させたものです。
この生薬には、健脾、鎮静などの効能があります。
主に、食欲不振、下痢、不安感、興奮状態などに用いられます。
生姜(ショウキョウ)
生姜(ショウキョウ)は、ショウガ科ショウガの根茎です。
この生薬には、発汗、健胃、鎮吐などの効能があります。
主に、風邪、嘔吐、食欲不振などに用いられます。
生姜は、生のショウガを「生姜」、蒸して乾燥したものを「乾姜」、生のものをそのまま乾燥したものを「乾生姜」といいます。
葛根湯の副作用
以下のような副作用が現れることがあります。
- 吐き気
- 食欲不振
- 胃部不快感
- 発疹・発赤
- かゆみ
このような消化器系の副作用や皮膚系の副作用が確認されています。
重い副作用はありませんが、服用後に体調の変化を感じるような場合は注意しましょう。
また、「眠気・不眠」「頭痛・発熱・悪寒」「下痢・便秘」「生理への悪影響」などが現れるという方もいますが、葛根湯の副作用にこれらの症状は現れにくいです。多くの場合、何か別のこと(病気など)が関係している可能性があります。
心配な方は医療機関で医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
妊娠中の人も使用されるような場合は、必ず医師に確認するようにして下さい。
漢方は正しい方法で服用することが大切です。
葛根湯の飲むタイミング
葛根湯は飲むタイミンクがとても重要です。
風邪の初期症状を感じるようであれば、食前または食間(食事と食事の間)に飲むようにしてください。
市販されている葛根湯は、「顆粒状」のものが多いですが、「錠剤」や「ドリンクタイプ」など飲みやすいものもありますので自分に合うものを選ぶようにし、用法・用量を守り飲むようにしましょう。
また、葛根湯は身体を温めて汗を出すことで効果を発揮させるので、水よりは白湯(ぬるま湯)で飲むのが好ましいです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、風邪の初期症状に飲むことで有名な葛根湯(カッコントウ)の効果・効能と副作用を紹介しました。
少し体調が悪いなと感じた時に飲んで寝ると次の日効果を実感する方が多いと思います。
漢方は天然の素材を使ったものなので、あまり化学物質に頼りたくないという人におすすめです。