柴胡加竜骨牡蛎湯の作用と効果は?市販でも買える?
漢方は複数の生薬を組み合わせて作られます。生薬は自然由来のものであり、それぞれに応じた作用・効果が認められます。
柴胡加竜骨牡蛎湯の作用と効果は?副作用は?
柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)は神経の昂りを抑えて、心身の状態を安定させます。
動脈硬化や高血圧、慢性腎不全、更年期障害といった疾病やヒステリーや不眠などの神経症
小児の夜泣き、ほてり、肝の高ぶりなどに効果があります。また精神不安症や、それに伴う動悸や便秘にも効果的です。
漢方医学ではストレスや疲労により気の巡りが邪魔をされ、体内にこもった熱が脳の動きが低下すると考えられており、柴胡加竜骨牡蛎湯は正常に気を巡らせることによって体内の熱を解消し、心身ともに落ち着かせる処方です。
不安やうつの症状への効果は?
柴胡加竜骨牡蛎湯は高血圧や慢性腎不全などの疾患における神経の昂りの抑制や動悸、不眠などの精神面における効果が期待できます。
柴胡加竜骨牡蛎湯は心身ともに穏やかにさせる効果があるので、うつ病やパニック障害、ヒステリー、小児の夜泣きなどにも優れた効果を発揮します。
柴胡加竜骨牡蛎湯を飲むと眠くなる?
柴胡加竜骨牡蛎湯は交感神経を落ち着かせ、緊張を緩和する効果に優れています。
交感神経を抑制することによって副交感神経とのバランスが正常に近づくため眠気が出る場合もあるようです。
交感神経が活発になり不眠に陥っていた人の場合、心身ともに落ち着くことで眠くなるようです。
柴胡加竜骨牡蛎湯はどう効いた?
柴胡加竜骨牡蛎湯は「体力が中等度以上あること」「精神面に不安がある人」「動悸、便秘、不眠の症状がある人」との相性がいいとされています。
つまり精神面に不安があっても虚弱体質であったら相性はよくないと言えます。体力があり身体が健康的な状態での服用が適している漢方薬です。
自分の体質と漢方薬の相性が良いことで短期間で精神が安定して不眠が改善された、身体のほてりが少なくなったという口コミもあります。
2週間ほどで効果を感じた人もいれば1~2ヶ月経っても効果が認められない人もいるようです。自分の体質との相性を考えてみましょう。
柴胡加竜骨牡蛎湯における副作用
便秘の人に有効な反面、下痢を起こしている人には適してないと言えます。生薬成分である「大黄」は下剤に似た効果があるため胃が弱い人や下痢を起こしやすい人にはおすすめできません。
また生薬にもアレルギーが存在するため、皮膚に発赤や湿疹、痒みがあらわれる場合には直ちに服用を中止し、医師や薬剤師に相談し適切な診療・指導を仰ぎましょう。
また、稀に間質性肺炎と肝障害が起こる場合があるとされています。息切れや空咳、息苦しさ、発熱、強い倦怠感、白目や全身への黄疸などの症状が出た場合にはすぐに医師へ掛かってください。
持病が悪化した場合もその限りdではありません。
柴胡加竜骨牡蛎湯の生薬成分は?
黄芩(2.5g)
黄芩はシソ科コガネバナの根の周皮を取り除き乾燥させたものです。中国東北部や朝鮮半島、東シベリア、モンゴルあたりを広く分布しています。
抗菌作用、アレルギー、解熱、解毒、利尿、肝機能の活性化などに効果があります。
発熱や炎症、充血、下痢などに作用します。
肺の熱をとる効果が強いです。
大黄(1.0g)
大黄はタデ科のダイオウ属植物の根・根茎を乾燥させたものです。
中国と日本に分布しており、国内産を用いることも少なくありません。
瀉下作用に非常に優れており、漢方医学においては別名「将軍」と称されています。
その他に利胆作用や消炎作用、健胃作用もあります。胆汁と膵液の分泌を促します。
柴胡(5.0g)
柴胡はセリ科ミシマサイコの根を乾燥させたものです。本州から四国・九州に分布しており、乱獲により近年では絶滅危惧種に指定されています。
解熱や解毒、鎮痛、消炎作用などの効果があります。黄疸や月経痛といった疾病に応用します。
竜骨(2.5g)
竜骨は象や牛などの哺乳動物の骨の化石です。中国北部と四川省で採れます。
鎮静作用や止血作用に優れています。
動悸や不眠、痙攣などに効果がある強壮剤的な鎮静剤です。
牡蛎(2.5g)
牡蛎はイタボガキ科のカキの左殻です。貝殻を焼成させ、砕いて粉状にしてから生薬に使用します。
日本と中国に分布しており、国内では広島県で採れます。
精神を落ち着かせる鎮静作用に優れており、精神不安症に効果があります。
半夏(4.0g)
半夏はサトイモ科カラスビシャクの球茎の外皮を取り除いて乾燥させたものです。
日本や中国、朝鮮半島と広く分布しています。日本では北海道から沖縄にまで分布しており、畑地で採れます。
鎮静作用、去痰の効果があり、胃を強くします。
茯苓(3.0g)
茯苓はサルノコシカケ科のマツホド菌の菌核を輪切りにして乾燥させたものです。中国で生産されています。
利尿作用に優れていることに加え、胃腸を整えて消化機能を高める効果があります。その他にむくみや下痢、食欲不振、胃腸虚弱にも効果が認められます。精神面での作用も優れているので動悸や不眠にも有効です。
桂皮(3.0g)
桂皮はクスノキ科トンキンニッケイの樹皮を乾燥させたものです。中国南部やベトナム北部に分布しています。
体内を芯から温める作用があります。それと同時に発汗を促すので解熱・発散の効果も高いです。温めると同時にのぼせ解消の効果も期待できます。
人参(2.5g)
人参はウコギ科チョウセンニンジンの根を乾燥させたものです。朝鮮半島、中国、日本で栽培されています。
興奮作用、強壮作用に優れており別名「補薬の王様」と称されます。新陳代謝や免疫力を高める効果に優れています。人体の適応力を高めるともいわれています。
疲労、冷え性、胃腸虚弱、インポテンツなどに効果的です。
生姜(1.0g)
生姜はショウガ科ショウガの根茎のことを指します。そのまま乾燥させたものを「乾生姜」、蒸して乾燥させたものが「乾姜」と呼びます。
インド、アジア圏、中央アメリカ、西インド諸島など各地で渡り栽培されています。
新陳代謝を高め、身体を芯から温めます。そのため食欲増進や発汗・発散作用に優れています。風邪や妊娠中のむくみにも効果的です。
大棗(2.5g)
クロウメモドキ科ナツメの果実を乾燥させたものです。南欧から東南アジアにかけて栽培されています。
体内を温め緊張を緩和する効果があります。腸の過度な動きを抑制し、腹痛を緩和させます。
またそれと同時に下痢で傷ついた腸壁を補修します。筋肉の急迫や疼痛の抑制、知覚過敏の抑制の効果もあります。
柴胡加竜骨牡蛎湯を市販で購入する場合
柴胡加竜骨牡蛎湯はインターネット通販やドラッグストアでも購入できます。
購入後の保存方法は直射日光の当たらない乾燥した所へ保管しましょう。乳幼児の手の届かない所へ安全に保管します。
「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒には上記の生薬成分11種類が入っています。
希望小売価格1,790円で24包です。成人の1日服用量は3包で2歳未満から使用できます。未成年の場合は必ず保護者の監督下、指導のもと服用をしましょう。
出典:https://www.amazon.co.jp/
「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス錠剤
漢方薬において顆粒と錠剤は服用回数も異なります。顆粒のが溶けやすく即効性を期待できますが、錠剤の方が飲みやすいというメリットもあります。しかし「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス錠剤は年齢、体重、症状によって適宜増減する必要があります。小児への安全性も確立されていません。生理機能が低下している高齢者や授乳中の女性への服用も注意が必要です。妊娠中の女性も服用を避けます。
出典:https://www.sorashido.com/
「ツムラ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
「ツムラ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒は10種類の生薬が入っています。希望小売価格2,400円で20包です。成人の1日服用量は2包で2歳から使用できます。また2歳未満の乳児に使用したい場合は医師の診療を受けることを優先して、やむを得ない場合のみ服用が可能です。未成年の場合は必ず保護者の監督下、指導のもと服用をしましょう。
出典:https://www.qlife.jp/meds/rx7943.html
「クラシエ」と「ツムラ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯の違いは?
「ツムラ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒には生薬成分の一つである「大黄」が含まれておらず10種類の生薬成分になります。
「ツムラ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒の方が高価な商品ではありますが1日服用量が少なく負担が少ないです。
大黄は瀉下作用が目立つため、下痢気味の人は「ツムラ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯が適しているでしょう。含有の生薬が異なるため、体質によって使用を決めましょう。